少年非行

(1) 少年非行とは

 

法律的、又は社会倫理的な規範に照らして、
逸脱した行動をとる少年のことを「非行少年」といいます。

 

非行少年は、少年法に基づいて法律上定義されていて、
年齢によって以下のように分類されています。

 

少年法第3条

 

 犯罪少年: 罪を犯した14歳以上20歳未満の少年(刑事責任年齢にあたる。)

 

 触法少年: 14歳未満で、刑罰法令に触れる行為をした少年
       (刑事責任年齢に達しない。そのため、刑事責任は問われない。)

 

 虞犯少年: 20歳未満で、いかに掲げるような理由があるために、
      その性格や環境に照らして、将来罪を犯し、又は刑罰法令に触れる
      恐れのある少年

 

  ・保護者の正当な監督に服しない性癖のあること。
  ・正当な理由がなく家庭に寄り付かないこと。
  ・犯罪性のある人もしくは不道徳な人と交際し、
  又はいかがわしい場所に出入りすること。
  ・自己または他人の徳性を害する行為をする性癖のあること。

 

そして、罪を犯した少年のうち、14歳未満の児童は児童相談所に、
14歳以上のすべてはすべて家庭裁判所に通告され、
審判に付されると、児童福祉法第25条に定められています。

 

児童福祉法において、非行少年は、要保護児童として位置づけられているため、
14歳未満の児童は児童相談所に通告されます。

 

(2) 少年非行の現状

 

近年、少年による動機のあいまいで凶悪な、殺人事件などの犯罪が、
マスメディアで多く取り上げられています。

 

マスメディアで多く取り上げられていることもあり、
人々の不安感を高めてはいますが、
実際は凶悪犯で検挙されるような刑法犯少年は、
以前に比べると減少しています。

 

(3) 少年非行の背景

 

少年非行の背景には、情緒障害の背景が絡んでいて、
同時に家庭や学校、地域社会をはじめとする社会の病理現象が深く関わっています。

 

法務省が2001年にまとめた「児童虐待に関する研究の報告書」を見ると、
全国の少年院に収容されている少年の半数以上が、
保護者からの虐待を経験したことがあり、
さらに虐待を受けた結果、家出や薬物使用などの問題行動に至ったことが明らかになっています。

 

最近になって、学校教育で、子どもの多様な関心や感性に応じた
教育が必要であると認められ、それが実践されつつありますが、
知育偏重や学歴偏重の教育の延長線となっている状況があります。

 

その結果、学業の不振から劣等感を持つ子どもが増え、
非行に走るということもあります。

 

子どもは、他者から受け入れられたり、認められたりする経験を持つことができないと、
自尊心や自己肯定感を培うことができません。

 

他者から受け入れられること、認められることの経験が少ない子どもは、
無気力感や他者への不信感を募らせるなどし、
反社会的行動などに傾斜していくということも少なくありません。

 

(4)非行少年のパーソナリティの特徴

 

「少年の問題行動等に関する調査研究協力会議(文部科学省)」では、
非行少年の持つ個性、つまり非行少年のパーソナリティの特徴を以下のように指摘しています。

 

 ・自己イメージが低く、劣等感が強く、自尊感情をもてない。

 

 ・刹那的な理由で非行を犯している。

 

 ・感情のコントロールが苦手。

 

 ・相手の痛みを共感的に理解することが苦手。

 

 ・コミュニケーション能力や自己表現力が低く、
 他者との対人関係を結ぶことが苦手。

 

(5) 少年非行に関する制度

 

少年非行に関する法律におは、児童福祉法と少年法の2つがあります。

 

非行少年の相談援助や措置は、児童相談所が中心的にあたっています。

 

児童相談所の相談援助

 

児童相談所では、14歳未満で窃盗や障害などの
刑罰法令に触れる行為をした触法少年に関する相談、
浮浪、乱暴などの問題行為が見られる児童(虞犯少年)に関する相談が行われます。

 

このような相談を「非行相談」といい、
非行相談を受け付けた児童相談所は、
児童に対する教育的な指導を行い、
同時に、子どもを養育している保護者の状況も含め相談援助します。

 

援助は、児童福祉司などによるソーシャルワークや心理療法で、
多くは通所指導となっています。

 

非行少年を立ち直らせるためには、子どもに対する教育的な指導と同時に、
保護者(家庭)や学校、地域社会の受け入れ体制によって左右されます。

 

ですから、数回の助言指導だけでなく、
継続的にソーシャルワークできる体制作りが必要です。

 

児童自立支援施設の生活援助

 

児童自立支援施設は、非行少年の生活援助をするための中心施設としての役割を担っています。

 

児童自立支援施設の援助の特徴は、規則正しい生活や学校教育、
親代わりとなる児童自立支援専門員や児童生活支援員による生活支援、
その生活支援を通して社会を構成する一員としての自立を培うというものです。

 

保護者の養育機能を代替するだけではなく、
親子参加型のプログラム等を通し、親子関係の調整を図るなどの
働きかけも必要とあってくるでしょう。

 

少年法

 

14歳以上の少年が罪を犯すと(犯罪少年)、
少年法が適用され、犯罪少年の処遇は、家庭裁判所が決定します。

 

家庭裁判所では、家庭裁判所調査官が、
少年が犯した罪の重さや少年を取り巻く環境の状況、
厚生の可能性などについて調べ、裁判官による審判の判断材料になる資料を作成します。

 

審判は、不処分、児童福祉法上の対応になる保護処分、
保護観察処分、少年院送致などとなっています。

 

BBS(Big Brothers and Sisters Movement)

 

保護司(法務大臣から委嘱を受けた民間活動を行う公務員)による、
援助活動や非行少年のともだち活動を行う
BBS(Big Brothers and Sisters Movement)も、
非行少年の更生援助に関わる地域社会活動の一つです。